「帝国銀行会社要録」府県別会社情報データベースの概要

私たちは2018年度から帝国興信所「帝国銀行会社要録」の会社情報に関する府県別のデータベースを作成している。2019年度末までに、1938年、1943年、1957年の3時点における大阪府・兵庫県・静岡県・長野県・群馬県・福岡県について、延べ約37,000社の会社情報の入力作業が終了している。これらのデータは「帝国銀行会社要録府県別会社情報データベース」として、2020年6月以降、一橋大学経済学研究科帝国データバンク企業・経済高度実証研究センター（CAREE）を通じて、研究目的のために順次、無償で提供される。本稿はそのデータベースの意義と目的を示し、史料としての「帝国銀行会社要録」を説明し、データベース作成手続きの概要を明らかにした上で、兵庫県と静岡県のデータに基づいて各年次のデータ集計のまとめと各年次間・県間の比較を行い、それぞれの地域の代表的な産地における産業構造の変化を考察する。